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2011年が幕を開けました。
ここ数年、経済についても、政治についても希望を抱かせてくれるものが少なかったように思います。
そのような状況にあっても希望を感じさせてくれたのは「はやぶさ」でした。


はやぶさ(第20号科学衛星)は、2003年5月9日13時29分25秒に宇宙科学研究所によっていくつかの使命を帯びて打ち上げられました。
7年の宇宙の旅を終えて2010年6月13日22時51分頃、はやぶさ本体およびカプセルは南オーストラリア州上空で大気圏再突入しました。流星のように輝きながら無数の破片に分解し、はやぶさ本体は燃え尽きていきました。一筋の光の尾を曳いて飛び続ける再突入カプセルは、数十秒間にわたり地上から肉眼でも観測され、満月の倍の明るさに相当するマイナス13等級の輝きを発し、人の影が地面に映るほどの明るさでした。
はやぶさの帰還には欧米のメディアもずいぶんたくさん好意的に報じられました。しかし内容は、はやぶさは打ち上げの後に打ち上げロケットを切り離し、最後に探査機を切り離して着地する一連の決められた動作を手順通りこなして帰還した、というようなあっけらかんとしたものでした。もちろん持ち帰った「イトカワ」のちりに関しては、太陽系の成り立ちの秘密を解く鍵となることを繰り返し説明はしていました。

一方日本では、故障や不具合が伝えられながら7年にわたる宇宙航海から満身創痍となって戻ってきたことを、ある人は擬人化し英雄のように、ある人は鉄腕アトムのようなけなげなロボットのように讃えました。

欧米と日本では、受け止め方がずいぶん違うことがわかります。
2014年、はやぶさ2が打ち上げられます。
政府の事業仕分けによって、予算の減額などの問題が出ているようですが、宇宙の困難を乗り越えたように、次の打ち上げまでの地上の困難を乗り越えて、日本の期待と夢と使命を背負って、もう一度飛び立ってほしいものです。

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