啓蟄
春の暖かさを感じて、冬ごもりしていた虫が外に這い出てくるころのことです。啓には「ひらく、開放する、(夜が)明ける」などの意味、蟄には「冬ごもりのために虫が土の下に隠れる、とじこもる」という意味があります。もともとは、陰暦(太陰太陽暦)で用いられていた二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ。陰暦では、毎年の日数が違い、暦と季節がずれていたため、これを調整するために工夫されたものが二十四節気であす。太陽が真東から昇り真西に沈み、昼夜の長さがほぼ同じになる春分を起点(黄経0度)として、太陽が1年間に動く黄道上の動きを15度ごとに24等分し、季節を示す基準としました。二十四節気では、全体を春夏秋冬の四つの季節に区分し、さらにそれを三つの月に分けています。一つの月には、二つの等分を割り当て、前半の等分を節気、後半の等分を中気」とし、それぞれの等分点を太陽が通過するときの時候を表わす名称を「正月節立春」「正月中雨水(うすい)」「二月節啓蟄」「二月中春分」「三月節清明(せいめい)」「三月中穀雨(こくう)」などとしました。このうち、黄経345度、陰暦の2月前半を表す「二月節啓蟄」が、表題の「啓蟄」の由来です。現在の太陽暦の3月6日ごろに当たります。(「知恵蔵2011」の解説より)
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