先日、パソコンサポートの要請があり行ってみると、Gメールがログアウトされてしまってパスワードが分からずログインできないと困っておられました。
こんな時、「パスワードを忘れた場合」の処置で多くの場合、復帰できるのですが、登録メールがすでに廃止されて使われていない状態だったためパスワードの再設定もできず、「打つ手なし」となってしまいました。
やむを得ずGメールアカウントを再作成することになりました。アドレス帳も零から作り直し、Googleグループの利用もできなくなるなど、当たり前のように使っていたGOOGLEサービスがすべて使えなくなってしまいました。
「パスワードがこんなに重要だったとは知らなかった」と初めてその重要さに気づかれたようでした。
これまでにも「やまびこ」で『パスワードの管理』について説明してきました。
2010年7月号
http://pc-kirakukan.jp/yamabiko/201007/sub4.html
2014年5月号
http://pc-kirakukan.jp/yamabiko/201405/pc-tech.html
・GメールやYAHOOメールなどのWEBメールの利用
・ONEドライブ、ドロップボックス、iCloudなどのクラウドの利用
・インターネットバンキングの利用
・アマゾン、楽天、YAHOOショッピングなどショッピングサイトの利用
インターネットの普及、WEBでのサービスの活用範囲が目覚ましく広がってきた昨今、「アカウントとパスワードの管理」は何度繰り返してもその大切さは説明し尽せません。今回再び取り上げました。
WEBサービスで最初に必要な設定が「アカウント(ID)」と「パスワード(PW)」です。
アカウントは、表札のようなもので、他人に知られて問題が起こることはありません。
世界でただ一つ自分のメールアドレスを使うことが多いですが、すべてのサイトがメールアドレスを使うわけではありません。その場合でもメールアドレスの「@」の前を使えばいいでしょう。
しかし、パスワードは「鍵」ですから、他人に知られると勝手に侵入されることもあり、また忘れてしまうとそのサービスに入れなくなることもあります。
このような体験をされた方は、まだそれほど多くはないかもしれません。しかし転ばぬさきの杖、安全なパスワード作成法、管理法を身に付けることが、これからネット社会を乗り切る鍵となるでしょう。
重要なことは二つ
(1)人に知られない
(2)忘れない
もちろん、この二つを満足させる「魔法のパスワード」が存在するわけではありません。
(1)の「人に知られない」という意味は、類推されない(名前、生年月日、連続数字や文字、有名な人名や地名や愛称を使わない等)、
自分には単純で分かりやすいが、人には複雑で難しい。
(2)の「忘れない」の意味は、自分で覚えられる(メモしてもメモが見つからない、パソコンに登録しても探し出せない)、つまり
自分には単純で分かりやすいが、人には複雑で難しい。
さて、どんな方法が考えられるでしょうか?
1例を上げてみます。
自分のなまえ hiroshi
生年月日 0306
自分の名前や生年月日を使わない、と言ったはずですね。
「名前」の中に「生年月日」を潜り込ませてみては hir0o3s0h6i
さらに、アルファベットの一文字を大文字にしてみます。
hIr0o3s0h6i
こんなパスワードでどうでしょうか?
自分で工夫すれば、何通りも考え出せるはずです。(何通りも使わない方がいいですが)
パソコンの電源は入れっぱなしがいい? えっ!
ある中古パソコン販売業者によると、故障したパソコンの多くに共通していたのは、使っている年数などの使用時間が長いことではなく、起動回数が多いことでした。電源を入れる回数が多いパソコンほどハードディスクが故障しやすいというわけです。
その理由は、パソコンの起動時と終了時に、ハードディスクに負担がかかるからです。ディスクが回転しているとき、データを読み書きするヘッドは、風圧によって浮き上がっています。電源を切ると、ヘッドはディスクに接触して摩擦が生じます。電源を入れたときも、ヘッドが浮き上がるまでの間に摩擦が生じます。
この摩擦がハートディスクの故障の一因になります。ハードディスクの寿命を延ばしたいなら、なるべくパソコンの電源は入れっぱなしがいい、ということですが、電気の消費はそれだけ大きくなります。電気代を安くしたいなら、スリープモードにしたり、電源をこまめに切る方がよいでしょう。
中古パソコンを購入するときには、個人ユーザーが使っていた個体より、企業ユーザーが使っていた個体の方が無難といわれています。個人ユーザーは、パソコンを使うたびに頻繁に電源やスリープをON/OFFしますが、企業ユーザーは、出社時に電源をONにしたら退社時までOFFにしないのが普通だからです。(日経パソコン2015.3.23号より)
「あなたならどうする」
電源入れっぱなしのリスクと電気代、頻繁なパソコン起動のリスク、
どちらをとりますか?