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やまびこ 2015年 10月号 をお届けします。

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講師からのひとこと       箕面教室 北村 由利子

― 仏 教 語 ―


 父のお盆のお参りに、あるお寺に行った時のことです。
毎年行くのですが、今回初めて、お供物のおさがりと一緒に「浄土宗新聞」という印刷物をいただきました。なんとなく目を通している時に「くらしの中の仏教語」という見出しを見つけました。
「仏教語」って、難しい漢字が並んでいて意味不明…っていうイメージがあったのに、「くらしの中の…」と書かれていることに興味津々!
そこには「覚悟」「方便」の二つ言葉について書かれていました。どちらも確かに普段使います。これって「仏教語」なんだ〜と初めて知りました。

「覚悟」
「覚悟を決める」というと、「あきらめ」に似た気持ちを表すように使われますが、
「覚」も「悟」も「さとり」という意味の文字であり、「目覚め」「迷いが覚める」となります。
仏教語としては、「心理をさとる」「(仏の)さとり」。
迷いや執着のない状態なので、「明らかにする」「決心する」の意味で使われるようになったと言われています。
また、仏教では「さとり」を「諦」と表すことがあり、この「諦」も「明らかにする」と言う意味があります。「諦める」というのも、それ以上のあがきは無駄という訳ではないのです。

「方便」
「手立て」「方法」の意味。仏教語では、「(仏が)苦しむ人々を導くための手段」との意味で使われます。
あるお経の逸話
ある家が火事になりました。燃え盛る家の中には子どもたちがいますが、彼らは遊びに夢中で火事に気づかず、呼び叫んでも出てきません。そこである人が機転を利かせて、「外に(欲しがっていた)牛や山羊や鹿の車があるぞ!」と大声で言うと、子どもたちは喜んで飛び出してきて、無事に助け出すことが出来ました。
これは、人を上手く導くことの例えで、火の家は「娑婆世界」、外の世界は「さとり」、外に導くための車が「方便」にあたります。
「嘘も方便」と、安易に嘘をつく人がいますが、方便は正しい道に導くためのものです。
(「浄土宗新聞」より)

なるほど〜!
普通に何気なく使っている言葉が、本来の意味とは違ったニュアンスで使っていたんだなぁって思いました。
そこで、調べてみますと、こんな面白いものもありました!

【シャカリキ】
夢中になって頑張ることを「シャカリキ」という。語源は「釈迦の力」文字通り「釈迦力」のこと。

【ウロウロ】
あっち行ったり、こっちに来たりすることを「ウロウロする」という。これも仏教用語で漢字では「有漏有漏」と書く。「漏」とは煩悩のこと。つまり「有漏」とは「煩悩が有る」という意味である。

【ゴタゴタ】
鎌倉時代に宋から来た兀庵(ごったん)という和尚さんが語源。ごったん和尚は理屈っぽく話しも難解であったため、混雑やわかりにくいことを「ごったんごったん」というようになり、やがて「ゴタゴタ」と表現されるようになった。

【ガタピシ】
漢字で「我他彼此」と書く。我(自分)と他(他人)、彼(彼岸)と此(此岸)つまり「あちら」と「こちら」という対立することから来ている。これが、建物の建てつけの悪さを「ガタピシしている」などと表現したもの。

【もっけの幸い】
「もっけ」とは「物の怪(もののけ)のこと。仏教伝来以前から日本人は物の怪や怨霊といったものをとても怖れていて、仏教がそれら物の怪や怨霊を退治してくれるかも…、ということで、仏教が日本に広まっていったという経緯がある。つまり、仏教側からすれば、「物の怪」のおかげで仏教が広まったようなもの。仏教側にとって「物の怪」は布教を応援してくれるありがたーい存在であり、それが「もっけの幸い」という語源だという。
 他説としては「もっけ」を「めったにないありがたいこと」を表し、「ありがたいことは幸いである」という意味とするものもある。

【ズボラ】
怠け者のことを「ズボラ」という。これは江戸時代、修行を怠ける坊主らのことをちょっと言いかえて「ずぼうら」→「ずぼら」というようになったからだという。
(出典:リアルライブ「ちょっと意外な仏教用語」)

「へ〜〜!」の連続でした(^^;
普段、語源も知らずに使っている言葉の中で、「あれ?」って思うものは、これからは調べてみようと思います。なかなか面白いですね!

興味のある方は、下記のHPも見てみてくださいね!
<日常生活における仏教語>
http://jodo.or.jp/knowledge/word/


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