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やまびこ 2017年 10月号 をお届けします。

電話でのお問い合わせはTEL.

 
   朝露や ナイスショットと空青き    
中野 啓子
                        (箕面教室 生徒さん)


中野さんの俳画をご紹介します。
 
 中野さんは、俳句も俳画もお上手で、
 たくさんの作品をお持ちです。
 
 ※
  絵をクリックすると拡大します。
  どうぞご覧ください。

 
大野さんから10月の色紙を頂きました。

  …大野さんからのメッセージ


 「月々に見る月は多けれど、月見る月はこの月の月」と、中秋の名月を平安時代から鑑賞する風習がありますが、暦によると今年は10月4日です。
月とうさぎの話はインドの神話から伝わったそうです。

                  大野
 絵をクリックすると拡大します。どうぞご覧ください。




 【今月のお話】
    作家 中井俊已(なかいとしみ)さんのメルマガより、ご紹介します。

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  『うんとこしょ、どっこいしょ』
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 ▼『おおきなかぶ』A・トルストイ 再話、内田莉莎子 訳を
       ふと読み直しました。(これで100回目くらいかな)

ストーリーはご存じだと思いますが、
大きなかぶをみんなで協力して引っこ抜く、というロシア民話です。

▼最初おじいさんだけで抜こうとしますが、どうしてもダメ。
おばあさんに助けてもらうのですが、それでもダメ。
孫娘を呼んできて、3人で
「うんとこしょ どっこいしょ」
とひっぱるのですが、それでもダメ。
いぬ、ねこ、ねずみまで協力して、
やっと抜けるという、めでたいお話です。


▼このお話は、小学1年生の教科書に載っていたので、
教師の頃、1年生といっしょに勉強したものです。
音読させたり、劇化したりしました。

 かぶの役もしました。(笑)
「うんとこしょ どっこいしょ
それでも、かぶはぬけません。」

この繰り返しが、リズミカルで、とても楽しいものでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ねずみが ねこを ひっぱって、
ねこが いぬを ひっぱって、
いぬが まごを ひっぱって、
まごが おばあさんを ひっぱって、
おばあさんが おじいさんを ひっぱって、
おじいさんが かぶを ひっぱって……
うんとこしょ
どっこいしょ

やっと、かぶは ぬけました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

抜けた途端、みんな、尻もちをつきながら、
床をころがりながら、喜び合ったものです。(1年生ですから・・・)

▼この物語が、いっそうユーモラスなのは、
ふだんは協力しあうはずのない、ねことねずみまでが
「うんとこしょ
どっこいしょ」
と声を合わせ力を出し合ってやっていること。
しかも、そのねずみのおかげで、
最後にはかぶが抜けること。

ねずみがいない時には
みんなでどんなに頑張っても抜けなかったかぶが、
小さなねずみが、一匹加わることでやっとぬけるのです。

なんともユーモラスで、そして教訓的ですね。
小さな自分の力でも、誰かの役に立てるのだと
希望がもて、うれしくもなります。

▼さて、この大きなかぶを抜くという仕事は、
私たちがするほとんどの仕事と同じだと私は考えます。
自分ひとりで、できる仕事なんて、まずありませんよね。
たとえば、本を出版する仕事もそうです。
原稿を書くのも、取材で多くの人の協力が必要です。
それを本にするには、編集者さん、校正者さん、デザイナーさん、
印刷製本業者さんなど、さまざまな人の手をかりなくてはなりません。

できた本を流通するには、運搬業者さん、取次業者さん、
書店さんなどの力がどうしても必要です。
そしてやっと、本が読者さんの手元に届きます。

私は読者さんの手元に届けるまでが、
出版の仕事と考えているので、これがゴールです。
その間、誰かが欠ければ、この仕事は完成しないでしょう。
ですから、一人ではとてもできない仕事なのです。
(皆様、本当にいつもありがとうございます)

▼もちろん出版物だけではありません。
わたしたちの身のまわりにある物、
仕事の結果、生み出された物は、ほとんどそうではないでしょうか。
たとえば朝、当たり前のように食べられる
パン、牛乳、バター、コーヒー、ヨーグルト、果物など。
自分が作ったわけではありません。
誰かが作ってくれて、
誰かが運んでくれて、
誰かが売ってくれたから
いま食卓にあるんですね。

お前、このうちの一つでも自分一人で作ってみろと言われたら、
お前、このバナナ、今度から産地に行って買って来いと言われたら、
お前、気にいらないから売ってやらないと言われたら、

「えー、冗談でしょ、勘弁してよ」
と笑うしかありません。

▼こんなふうに、わたしたちの身のまわりにあるものの
ほとんどは、自分だけでは手に入らないものです。

自分のかわりに
誰かが作ってくれたもの
誰かが運んでくれたもの
誰かが売ってくれたもの、です。

いわば、
たくさんの人の
「うんとこしょ どっこいしょ」 の賜物です。

▼そう考えて、物をながめてみると、
ひとつひとつに
誰かの思いが感じられるかもしれません。
ひとつひとつが、
有難い、有難いものに思えてくるかもしれません。

★ きっとよくなるヒント★
まわりには、「うんとこしょ どっこいしょ」がいっぱい。

有難いことですね。 (^.^)

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     いつも読んでくださってありがとうございます!
     今日も、あなたに良いことがたくさんありますように…。

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